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ドクターズインタビュー
歯科医師を目指されたきっかけについて教えてください
もう他界しましたが、父は歯科医師でした。子どもの頃、父が働く姿を見て、僕も自然と歯科医師になりたいと思うようになりました。幼い僕には、父のしている仕事の内容はくわしくは理解できていませんでしたが、やりがいのある仕事だと感じていました。そして、僕もその仕事に携わりたいという漠然とした思いを抱いていました。
父と一緒に外を歩いていると、患者さまに会うことがあり、そんな時、父はいつもにこやかに話をしていました。さらに、父が社会的な活動にも積極的に取り組んでいたことを目の当たりにし、歯科医師という仕事にはやりがいがあるのだと強く感じました。僕も、ただの歯科医師ではなく、そうしたプラスアルファのこともできる父のような立場に憧れをいだいていました。
尊敬する先代の院長と比べて今歯科医師として思うこと
歯科医師としてのゴールは人それぞれだと思います。父の背中を追いかけてきましたが、いずれは追い越さなければならないとも感じています。それでよかったと思えるようになりたいですね。
昔は若さゆえに軽く見られがちで、特に年配の方から信頼を得るのに苦労しました。父と比較されることもよくありました。しかし、時間が経つにつれて、私なりのやり方を理解してもらえるようになったと感じています。
父はさまざまな面ですごい人でした。松原の地域でも多くの人が父のことを知っており、時折「お前の父さんはこうだった」と話を聞かせていただくこともあります。そういう話を聞くたびに、改めて父の偉大さを感じます。私も父のように、将来息子に目標にしてもらえるような歯科医師になりたいと思っています。
診療で最も大切にしていることは何ですか?
私が最も大切にしているのは、患者さまとの対話です。コミュニケーションが何よりも重要だと考えています。普段は一緒にいない患者さまとさまざまな会話をすることで、その方が気にしていることや求めていることがわかります。
対話を通じて患者さまの本当のニーズを理解し、最適な治療法を一緒に見つけていきます。たとえば、「インプラントにしてください」と来院された方でも、お話を進めていく中で、実は別の方法が適していることがわかることもあります。
患者さまの本当のニーズを理解するには、しっかりと対話をすることが不可欠です。対話を通じて、患者さま自身も気づいていなかった希望や必要性が見えてくることがあるのです。
「患者さまに感動してもらう治療をすること」が目標
そのお話をくわしくお願いします
当院が目指しているのは、「患者さまに感動してもらう治療」をすることです。それは、単に治療が成功したという結果だけを意味するのではありません。例えば、お菓子が食べられるようになったり、見た目が綺麗になったり、口の中が快適に整えられたりすること。これらすべてが、患者さまに感動していただける瞬間になります。
感動というのは、たとえばご飯を食べたときに「本当に美味しかった」とか、「あの店はすごく良かった」と思えるような体験に似ています。歯科治療においても、患者さまが「こんなに良くなった」と実感する瞬間を作りたいのです。
ただし、これらの治療法はあくまで選択肢の一つにすぎません。だからこそ、患者さまのお話をしっかりと伺うことが大切です。患者さま一人ひとりのニーズや希望を理解し、それに応じた最適な治療を提供することで、本当の意味での感動を生み出せると考えています。
また、感動は治療結果だけでなく、治療の過程でも生まれると感じています。例えば、丁寧な説明によって不安が解消されたり、痛みの少ない治療で安心できたりすることも、患者さまにとっては感動的な体験となると考えています。
結局のところ、患者さまに感動してもらうためには、お一人ひとりの患者さまを深く理解し、その方に最適な治療を提供することが重要です。そのために、常に患者さまとの対話を大切にし、チームで患者さまをサポートする体制を整えています。
そのチーム医療について、先生のお考えをお聞かせください
チーム医療について、実は私は少し違った視点を持っています。ある意味、そのチームの中には当事者である患者さまも入っているように感じています。だからこそいろんな話をして、みんなで治療を進めていくという感じです。
例えば、お子さんの場合は、そのチームにはお母さんも入っています。もちろん、他のご家族の方々も含めてチームだと思っています。
単に医療提供者側だけでなく、患者さま側も治療に参加する一員として捉えることで、より良い治療結果につながると信じています。この考え方は、先ほどお話した「対話」の重視にも通じています。患者さまとしっかりコミュニケーションを取り、一緒に治療を進めていくことが、当院の考えるチーム医療の基本となっています。
先生の考える「将来を見据えた治療」についてお聞かせください
将来を見据えた治療では、必要な部分は治療しますが、長期的な視点も大切です。たとえば、月に1回歯医者に来ていただいたとしても、年間12回程度です。月に3回来ていただいても年間30回程度です。しかし、365日のうち残りの337日はご自身で歯の手入れをしなければなりません。年齢を重ねるにつれて、口の中の環境も変わります。過去にさまざまな歯科医院で治療を受けてきた経験もあるでしょう。これらを踏まえて、今後の健康を守れる口の中の環境を整えることが重要です。
そのため、さまざまな選択肢の中から患者さまと相談して方法を決めていきます。「将来こうなったときにはどうしましょうか」とか「こうなる可能性があるときには何が必要ですか」と事前に話し合っておくことで、将来の不安を軽減できると思います。
お子さまへの対応で、特に心がけていることはありますか?
当院では、泣いているお子さんはほとんどいません。もちろん、来院を嫌がって泣く子や、治療に取りかかるまでに時間がかかる子もいますが、無理やり押さえつけて治療することは絶対にしません。子ども自身に納得してもらうことが大切だと考えています。
成功体験を繰り返すことで、将来的に歯医者を怖がらなくなると信じています。子どもが怖がる理由は、何をされるかわからないからです。予防接種のように嫌なら見なくてもいい処置とは違い、口の中は鏡で見ても何がおこなわれているのか分かりにくいものです。当院の場合には、これから何をするのかをしっかり説明します。治療が終わった後は、子ども自身が「やった!」と感じられるよう心がけています。必要以上に褒めたりもしますし、子どもが主役になれるようにしています。お母さんたちにもそのサポートをお願いしています。
地域の歯科医師として
どのような診療を心がけていますか?
大阪の松原で生まれ育ち、これからも地域の歯科医師として頑張っていきたいと思っています。これは父も同じ思いを抱いていました。
20代の患者さまは比較的少ないですが、お年寄りからお子さんまで幅広く来ていただいています。
そのため、さまざまな症状や治療に対応する必要があります。最終的には患者さまの健康を守ることが目的ですから、食事を楽しんでいただくことが重要です。「美味しいものが食べられるようになった」と言ってもらえると、本当に嬉しいですね。
私の専門は補綴で、インプラントなどを学んできましたが、できるだけ多くの技術を持つよう心がけています。患者さまのさまざまなニーズに応えられるよう努力しています。
今後のご展望について教えてください
将来的には、管理栄養士さんと連携して食育にも関わっていきたいと考えています。これは10年以上前からの目標です。
治療によって食べられるようになっても、食生活があまり変わらない患者さまが多いことに気づきました。たとえば、噛みにくかったために柔らかいものばかり食べていた人が、治療後もその習慣を続けてしまうことがあります。でも、硬いものにもチャレンジして、食材本来の食感を楽しんでほしいと思っています。今の診療所の規模では難しいかもしれませんが、将来的にはカフェのような場所を併設して、そこで栄養指導や食育の話ができれば面白いなと考えています。
このホームページをご覧の患者さまへのメッセージをお願いします
松谷歯科医院が目指しているのは、「患者さまに感動してもらうこと」です。
お菓子が食べられるようになったり、見た目が綺麗になったり、快適に口の中の環境を整えたりすること。これらはすべて選択肢の一つです。気になることがあったら、まずはお話を聞かせてください。患者さまのお話をしっかり伺うことを大切にしています。それぞれの治療法はあくまで選択肢の1つであり、患者さまお一人ひとりに合った最適な選択を一緒に見つけていきたいと思っています。